不動産業界で出会った人達
ここでは、不動産売買や不動産賃貸での取引を通じて「思い出に残った人達」を書いてみます。営業の合間のお暇な時にどうぞ。
・度量のある営業マン
ある物件で、大手のNの仲介さんと一般で被っていました。
その物件は俗に言うプレミア物件で、2番手の発生も十分にあり得るような物件です。3980万円の物件に対し3900万円で買付を取った私は、早速売主に連絡しました。
「●●様、満額ではありませんが3900万で買付取れました。手付も100万で買主様の属性も問題ありません。
契約は来週の日曜日の夕方を希望しています」
「そうですか、それは良かったです」
「それで早速なんですが●●様、今回は一般じゃないですか?
基本的にこういった買付の話をNさんにお話しすると”ウチは満額検討のお客様がいます。
そんな早く結論を出さずにあと2週間様子を見られたらいかがですか?”というように、変な意味ではなく●●様を迷わせる事を必ず言ってくるんですね。
それで●●様が契約の時期を1週間伸ばしただけで買主様からダメになってしまうケースもたくさんあるんですよ。
ですから、今回の買い付けはNさんには黙っておいて頂けると問題ないかと思います」
あくまでも業者の勝手な言い分ですが、一般の物件の場合やっぱり相手方を妨害する(変な意味じゃなく契約を阻止する)営業マンは多いと思います。
(あなたは妨害したことありますか?)これはもう数字がかかったシビアな世界なので仕方ないですし、あなたも私の立場だったらこういった布石を打つはずですよね。でも今回の売主様ははっきり言いました。
「なるほど。●●(私)の言葉も仰るとおりですが、ここはきちんと報告させてください」
こう言われてしまっては頷くしかありません。そして、週末の契約日前を迎え、電話をいただきました。
「●●(私)さん、御社で約束通り進めますのでお願いします」
「えっ?●●さん、Nさんは何か言っていませんでしたか?お客様がいるとか・・」
「いえ。御社の買付の数字も妥当だし、こういった場合は早く契約したほうがいいですよって仰ってましたよ」
・・私は顔から火が出るくらい恥ずかしくなりました、そして、Nの仲介の営業マンの度量の大きさに「完璧に負けた」と思いました。
それからは、同じような場面があったときは同じようなアドバイスをしようと心がけています。
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